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Rootpublish Journal

AIは自社の料金を正しく答えているか 料金を公開するBtoB企業30社の調査から

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30社中12社で違う値が出た

料金を公開しているBtoB企業でも、AIが料金や契約条件を正しく答えるとは限りません。Rootpublishが2026年9月28日に30社を調べたところ、12社で、料金・プラン・契約条件・提供内容について各社の料金ページやサービスページ(以下、正本)と違う値を言い切った回答が見つかりました。内訳は日本15社中4社、英語圏15社中8社です。

これとは別に、正本に書かれている価格や条件を「公開されていない」と答えられた会社が3社(日本2社、英語圏1社)ありました。逆に、自動の判定がはっきりした食い違いとしたものでも、正本のページで確かめたうえで数えなかった会社が3社あります。機能の範囲が別物の可能性がある、表記の読み方しだいで正しくもなり得る、「ページにより差あり」と断った記載がある、という理由です。

調査の前に、30社中9社以上で食い違いがあれば課題は広くあるとみなし、3社未満なら仮説を捨てると決めていました。12社という結果は、その線を超えています。

どのように調べたか

対象は、料金を公開しているBtoB企業30社です。分野はAI活用支援、マーケティング支援、地図検索(MEO)対策、フラクショナルCMO、SaaSなどです。Web検索つきのAI(Claude Sonnet、検索は日本から)に、購入を検討する人と同じ質問を各社1回ずつしました。尋ねたのは、料金プランと金額、最低契約期間と解約の条件、主な内容、対象の顧客です。英語の質問には「英語で答えてください」を加えました。

回答は正本の記載と照らしました。はっきり食い違うものは、Rootpublishが正本のページを開いて1件ずつ確かめています。ページの読み方しだいで正しくもなり得る記載は数えていません。

使ったAIは1種類で、各社への質問は1回です。ChatGPTなど別のAIでも同じ割合になるかは、この調査からは言えません。調べた会社の名前は公表していません。

実際にあった誤りの例

誤りの種類は、金額の言い違いだけではありませんでした。以下はいずれも、会社名を伏せた実際の例です。

ある会社については、AIが「ベーシックプラン:月額330,000円(税込)〜」と答えました。しかし料金ページのプランは3つで、「ベーシック」というプランはありません。月額33万円は、別の名前の上位プランの料金でした。同じ金額は、同じ会社のブログ記事にも載っていました。

初期費用を「ゼロ」と答えた例もあります。実際の料金ページでは、全プランで初回に初期費用10万円(税別)がかかります。

英語圏の会社では、契約期間、返金、料金の仕組みに誤りがありました。AIは「最低6か月、通常は12〜24か月の契約」と答えましたが、料金ページでは長期の契約は不要で、最初は3か月のお試し期間です。また、AIは「返金保証はない」と答えましたが、トップページには、品質に満足できなければ14日間は返金するとあります。料金の仕組みについては、AIが「Proは月79ドル、Teamは月399ドル」というプラン制で答えました。実際の料金ページはプラン制ではなく、内容に合わせた年額の見積もりでした。

誤った数字はどこから来たか

違う値を答えられた12社のうち、同じ数字がAIの引用したページにあったのは4社でした。そのうち3社では、会社自身の別のページやブログに同じ数字がありました。中身は、存在しないプラン名の金額、旧価格と契約期間、個別見積もりの条件です。

残りの8社では、引用したページに同じ数字がなく、古い情報か推測で埋めた答えと見られます。つまり、自社のページは原因の一部にとどまります。

なお、この出どころの調べでは、追う数字を絞っています。対象は、100以上の金額、通貨や%のつく数字、月・年の期間だけです。正本のページ自体は出どころに数えていません。

自社の記事が出どころになる型

2026年10月6日には、料金を公開し自社のプランに触れる記事を出している日本の会社9社を、追加で確かめました。そのうち4社で、料金や契約期間の誤りを確認しています。誤りの出どころには、次のような型がありました。

1つ目は、相場を説明した自社の記事の金額(「1日30万円〜」など)を、その会社の料金として答えた例です。2つ目は、料金を改めた後も、自社の古い記事に以前の年払いの金額が残っていた例です。3つ目は、サイトの中で最低契約期間が「3か月」と「半年」の2通りに書かれていて、AIがその片方を答えた例です。4つ目は、自社の記事が以前のプランと契約期間を説明したままで、AIがそれを今の料金として答えた例です。

残りの5社では、会社のページに出どころのある、はっきりした誤りは見つかりませんでした。

別の時期に行った企業サイトの監査でも、似た記載が見つかっています。料金ページは「最低契約期間なし」なのに、記事では最低契約期間を「3か月」と書いていた例です。

質問1つでは見落としやすい

2026年9月29日には、質問を3つに分け、それぞれを別のAIに聞く方式も試しました。3つの質問は、提供内容の全体、いちばん安い入り方、他社との比較と向き不向きです。

ある会社では、質問1つのときに3件だった食い違いが、3つにすると9件に増えました。そのうち、はっきりした食い違いは7件です。「存在しないベーシックプラン月33万円」は、3つの回答すべてに出ました。

同じ会社に同じ質問を2回したときは、回答の中身が回ごとに変わりました。ただし、2回とも誤っていました。1回聞いて正しかったからといって、いつも正しく答えるとは限らない、ということです。

自社で確かめる方法

手作業で確かめるときは、購入を検討する人が実際にしそうな質問を、Web検索つきのAIにそのまま聞きます。たとえば、料金プランと金額、最低契約期間と解約の条件、いちばん安い始め方です。そのうえで、回答を自社の料金ページ・サービスページと1件ずつ照らします。違う数字があれば、AIが引用したページを開き、同じ数字が自社のどの記事にあるかを探します。

Rootpublishの「AIの回答チェック」は、この手順をまとめたものです。購入を検討する人がする3つの質問を、それぞれWeb検索だけを持つ別のAIに聞きます。回答が出るまで、会社のページの内容は会話に入れません。先に正解を見たAIは、答えが正しい方に寄るためです。回答は料金ページ・サービスページの記載と照らし、回答とページの両方に引用が実際にあるものだけを違いとして残します。誤った数字は、回答が引用したページから出どころを探してレポートにまとめます。同じサイトを測り直すと、前回との比較が出ます。

使い方は3通りあります。Claude Codeでは、MITライセンスのプラグインとして無料で使えます。AIの処理は利用者自身のClaudeで行い、APIキーは要らず、Rootpublishには何も送りません。1回の実行は、サブスクリプションの利用量で約1.5ドル相当です(2026年10月、0.3.0)。ChatGPTなどからは、試験提供のMCPサーバー(https://rootpublish.com/mcp)で試せます。ただしこの場合は、答えたAIが自分の答えを照合するため、精度は下がります。メールで依頼すれば、無料で確かめます。

見つかった誤りの直し方

出どころが自社のページにあった場合は、その記載を正本に合わせるのが最初の手当てです。調査で見えた型から考えると、点検すべき箇所は次のとおりです。まず、相場を説明した記事の金額が自社の料金と区別できる書き方になっているか。次に、料金を改めた後の古い記事に、以前の金額やプランが残っていないか。最後に、最低契約期間などの条件がサイト内で2通りに書かれていないか、です。

どちらが正しいか迷うときは、正本そのものが古い可能性も確かめます。正本のほうが古い場合は、記事ではなく正本を直す必要があります。

ただし、12社のうち8社では、引用されたページに同じ数字がありませんでした。自社のページを直しても、すべての誤りの出どころが消えるわけではありません。また、直した後にAIの答えが変わったかどうかは、この調査記録ではまだ確かめていません。

Googleは、AI OverviewsやAI Modeにも従来のSEOの基本が有効で、特別なAI用テキストファイルや専用の構造化データを追加する必要はないと説明しています。同時に、表示要件を満たしてもクロール・インデックス・表示は保証されないとしています。

Rootpublish自身を測った結果

2026年10月7日、同じ方式でRootpublish自身について日本語と英語で聞きました。すると、AIはRootpublishを見つけられず、名前の似た別の会社(Rootstock Publishingなど)を挙げました。料金の誤り以前に、存在を認識されていなかったことになります。

AIの回答チェックや料金について聞く12の質問では、Rootpublishに触れた答えは1つだけでした。そのとき引用されたのは、MCPサーバーの一覧サイトの掲載ページです。

そこで、次の3つを行いました。トップページの主役をAIの回答チェックに変えたこと。運営・提供内容・料金に答えるページ(/about)とllms.txtを置いたこと。名前の似た会社とは別であることを明記したことです。効果はまだ測れていません。毎週同じ質問で測り直しています。

この記録から言えること

言えるのは、料金を公開していても、AIが料金や条件を違う値で言い切ることが珍しくなかった、ということです。誤りの一部は自社の古い記事や相場の記事から来ており、そこは自社で確かめて直せます。

一方で、この記録には限りがあります。9月の調査は1種類のAIに各社1回ずつ聞いた結果です。同じ質問でも回答は回ごとに変わりました。また、ページを直した後にAIの答えが正しくなるかは、自社を含めてまだ測れていません。AIの回答が改善されることや、AI検索で引用されることは保証できません。だからこそ、一度で終えずに、同じ質問で定期的に測り直すことをおすすめします。