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Rootpublish Journal

AI翻訳で記事を多言語化する前に 4言語化の記録から見た確認手順

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先に結論

AIで訳した記事を多言語で公開するなら、訳の出来を一度確かめて終わりにしないことが大切です。原文とのつながりを保つページ構成と、訳を別の目で照らし合わせる工程を先に決めておくのが現実的です。

Rootpublishは2026年9月に自社のメディアを日本語・英語・簡体字中国語・韓国語の4言語にしました。このときは、日本語で承認・公開した記事を原文とし、翻訳とは別のAIの呼び出しで訳を確認しました。その確認では、意味を広げてしまう訳や日本語の直訳が見つかりました。一方で、採用すべきでない指摘も出ました。

この記事では、その記録に書かれた範囲で、構成・確認の方法・見つかった誤訳・Googleに登録されるまでの経過を整理します。最後に、自社で進めるときの確認手順を示します。

なお、訳の確認はAIによるもので、人や母語話者による確認はまだしていません。ここで紹介する内容は、翻訳の品質や検索順位、AIからの引用を保証するものではありません。

訳は別ページにして原文にひもづける

Rootpublishのメディアでは、日本語で承認・公開した記事を原文と決めました。英語・簡体字中国語・韓国語の訳は、それぞれ別のページとして公開しています。

各ページでは、4言語とx-default(英語)を互いの代替ページとして示しました。簡体字中国語は、Googleが案内するzh-Hansで示しています。どの言語のページからも、ほかの言語版が同じ内容の代わりであることが分かる形です。

もう一つ決めたのが、原文の内容が変わったときの扱いです。原文が変わると、訳を確認し直すまで公開用の処理が止まるようにしました。日本語だけを直して訳が古いまま残ると、言語ごとに違うことを言うページができてしまいます。どの言語を原文とするかを最初に決めておくと、この停止条件も決めやすくなります。

訳の確認は翻訳とは別の呼び出しで行った

訳の確認には、翻訳とは別のClaude Opusの呼び出しを使いました。原文と訳を比べさせ、抜け・付け足し・意味の違い・用語・不自然さを指摘させています。

指摘の件数は次のとおりでした。
記事2本の中国語・韓国語訳:11件
記事3本の英語・中国語・韓国語訳(9組):25件
別の記事1本の3言語訳:10件

指摘は、Claudeが原文と照らして採否を決めました。訳を直したのは、採用した指摘だけです。つまり、翻訳・確認・採否の判断はいずれもAIが担っており、人や母語話者による確認はまだしていません。件数は指摘の数であり、誤訳の数でも、訳の品質を測った数字でもない点に注意してください。

見つかったのは言い過ぎと直訳

確認で見つかった誤訳は、大きく分けると、意味を変えたり広げたりする訳と、日本語をそのまま移した訳でした。

意味が変わる例として、「変更を復元」が「変更を再び適用する」と読める訳がありました。範囲を広げる例では、「多く」を「大部分」や「most」とした訳、「97%以上だったモデルが」を「そのようなモデルすべて」と読める訳がありました。いずれも、原文にある限定や条件が訳で外れてしまったものです。会社の検証結果や製品の説明では、こうした数量や範囲の言い過ぎが、そのまま事実と違う主張になります。

日本語の直訳としては、中国語の「课题」「实绩」や韓国語の「독자 블록」がありました。また、確認用の要約とWordPressの抜粋が同じ語に訳され、区別できなくなった例もありました。製品固有の用語は、訳語を決めておかないと混ざりやすいということです。

英語の既存訳にも、「多く」を「most」とした言い過ぎが見つかり、あわせて直しました。新しく訳した言語だけでなく、すでに公開している訳も見直す対象になります。

採用しなかった指摘もある

AIの指摘をすべて反映すればよいわけではありませんでした。

今回はタグを除いた本文で照合したため、番号付きリストの番号やリンク先のURLが抜けているという誤った指摘が繰り返し出ました。表示されるページではこれらは抜けていないため、採用していません。照合するときの形式が、誤った指摘を生むことがあるという例です。

韓国語では、公開を「공개」から「발행」にするよう指摘されました。ただ、公開済みの記事と用語をそろえる必要があります。そのため、すぐには直さず、母語話者の判断を待つことにしました。用語の統一は記事単位では決めにくく、AIの確認だけで結論を出さずに保留した判断です。

Googleに登録されるまでの経過

2026年9月25日、Search Consoleへサイトマップを送信し、IndexNowにもURLを送りました。

送信直後にインデックス済みだったのは6ページで、トップページ、WordPress版のページ、記事5などでした。同じ日の約11時間後には11ページに増えました。この中には、記事8の日本語版と英語版、中国語の記事2本、韓国語の記事一覧が含まれます。検索での表示回数やクリックの数字は、まだ出ていません。

これは1サイトの1日分の経過で、登録の早さや検索での成果を示すものではありません。Googleは、AI OverviewsやAI Modeにも従来のSEOの基本が有効だと説明しています。そのうえで、表示要件を満たしてもクロール・インデックス・表示は保証されないとしています。Rootpublishは検索順位やAIからの引用を保証していません。検索改善の機能では、1件の改善を承認して公開した後、同じページを7日間観察し、実測で判断する設計です。

自社の記事を多言語化するときの確認手順

ここからは、上の記録とRootpublish編集ガイドの考え方をもとにした手順の提案です。検索順位の改善を実測した結果ではありません。

1. 原文にする言語を決めます。訳は別ページにし、言語どうしを互いの代替ページとして示します。

2. 原文が変わったときの扱いを決めます。訳を確認し直すまで公開用の処理を止めるか、少なくとも更新を止める運用にしておきます。

3. 翻訳とは別の呼び出しで、原文と訳を比べます。見るのは、抜け・付け足し・意味の違い・用語・不自然さです。特に数量・範囲・条件を表す語と、製品固有の用語を重点的に確かめます。既存の訳も同じ観点で見直します。

4. 指摘は原文と照らして採否を決め、理由を記録します。照合の形式による誤った指摘や、公開済みの記事との用語統一のように、その場で決めないほうがよいものもあります。後者は母語話者の判断に回します。

5. 公開前に、公開権限を持つ人が本文と出典を確認します。そのうえで公開するかを決めます。

6. 公開後は、サイトマップの送信日、インデックスされたページ、表示回数やクリックの推移を記録し、実測で判断します。

Googleは、生成AIでコンテンツを用意するときも正確性・品質・関連性を重視するよう案内しています。利用者への価値を加えない大量生成は、スパムポリシーに抵触する可能性があるとも述べています。訳を増やすこと自体を目的にせず、その言語の読者に必要な記事から始めるのがよいでしょう。

Rootpublishの記録でも、人や母語話者による確認はまだ終わっていません。AIの確認で見つけられる範囲には限りがあるため、どの段階で人が確認するかを予定に組み込んでおくことをおすすめします。